〜力業を許させる物語の勢い〜
徳川に滅ぼされた豊臣方のくノ一忍者と伊賀忍の戦い。 豊臣の子種を受けたくの一という設定がすでに悶絶。 臨月が近くなる終盤では、腹の大きなくノ一が子を守り戦い抜くのである。 激突する忍者達の忍法合戦は自然「淫法」合戦となり、んなあほなという技が百出。 が、それを「ホルモンの関係によるものであろう」といった風に、たかが一文で片づける潔さ。 そして突飛なあまり、これで十分に説得されてしまう楽しさ。 物語の勢いがあるからこそ、そのような突っかかりは足下の石ころほどにもならず、ただただ次のページを繰るしかなくなる。 物語の最終的なまとまりを含め、完成度が高い。
内縛陣がやぶられているぞ
千姫の侍女で信濃忍法を操るくノ一達と、家康の放った伊賀忍者達の死闘が繰り広げられます。 次から次へ、色仕掛けの奇想天外な忍法が現れ、速い展開で話がすすみ面白く読みました。 ただ、妊婦達が主役で、陰惨な死に方をするのは、切なかったです。
究極のフェミニズム文学か!
戦闘参加女子がほぼすべて妊婦という作品、それがこれだ。 力で勝つのではなく、魅力で殺し、奸計で騙す、そして勝利は子をのこすこと。 まさしくこれこそ女の戦いだ。 フェミニストからすれば「女を子供を産むものとしてみている」 と、反発するかもしれないが、子を産めるのは女だけの能力であり、それを妨害にも負けず達成するのは女ならではの勝利なのだ。 そんなこともあってか、女性人気も高い本作。 アダルト映画のイメージは捨てて、高貴で女性賛歌に満ちたこの作品を 女性にこそ読んでほしい。
歴史の闇に隠れた戦いがあった
くノ一忍法帖は山田風太郎氏の忍法帖シリーズの一つであり、 高い評価を受けている。この本の特徴は、その名の通り伊賀忍者を 相手に戦うくノ一たちの活躍だろう。戦闘にはくノ一ならではの 忍術が登場し、これまでの忍法帖とは異なる戦いが繰り広げられる反面、 性的な技ばっかりという欠点もある。結構陰惨な話が多く、 同じくノ一との戦いなら「忍法八犬伝」の方が面白いかもしれない。 また、この本では歴史上の出来事とくノ一たちの戦いを結びつけたため、 今回の話があたかも歴史の裏で起こったような錯覚を受ける。これも 読んでいくうちの楽しみである。
角川書店
甲賀忍法帖 (角川文庫) 伊賀忍法帖 (角川文庫) 柳生忍法帖〈下〉 (角川文庫) 柳生忍法帖〈上〉 (角川文庫) 魔界転生(上)―山田風太郎忍法帖〈6〉 (講談社文庫)
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